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昔、コンクリート製のテディベアで遊んでいた 安らぎを求め、これが柔らかいのだと思わされ 温もりがあるはずのテディベアに 理由も分からず泣きついた 痛みすら感じるテディベア コンクリート製の・・・
それが友情だと思っていた 親に染められた表だけの感情 先生は先生で セメントの練り作業に大忙し 木造校舎に不似合いなシュレッダー コンクリート製の・・・
時々、自分自身もコンクリート なんじゃないかと不安に思う 時々、コンクリート以外にも何か要素が あるんじゃないかと考えてみたりする
コンクリートの地 コンクリートの海 コンクリートの空 ah...
温もり無く、息吹無く 色も無く、音も無く
形だけの極寒の世界 夢魔の様に重い世界 時間すら止まった無色の世界 そして自分自身に気づく事も出来ない 静かな、静かな世界
赤黒いコンクリートは劣化し 廃棄される事になった するとどうだろう 閉ざされた扉は開かれ 私は光とともに世界を知った 新世界への羽衣まで手を伸ばすが あと数cm届かない
私は腰までコンクリートに浸かっていた あぁ・・ 私は肺の奥までコンクリート詰めだった あぁ・・!
私は今でも「静かな世界」に居る 私はとっくにコンクリートだった 私は産まれた時からコンクリートだった
私に光がさした為に 光の美しい輝き故に
私は壊れた
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